はじめに

 競馬はいつまでたっても難しい。
 あのディープインパクトでさえ、フランスの凱旋門賞では3着と涙を飲んだ上に失格となったことは記憶に新しい。2005年の有馬記念でもハーツクライの2着に敗れたことから考えて、競馬には何が起こるかわからないドラマがつねに潜んでいる。
 競馬の新理論『馬力(うまぢから)指数』3部作を世に発表してから、はや数年が経過してしまった。この理論はそれなりに読者諸兄の納得が得られ、また実践においても成果が得られた。それは、3部作が重版を重ね、数多くの読者の方々からの反響の大きさからも、ひしひしと感じられた。いろいろの質問、計算の誤りの指摘、成果の報告など多様にわたっていたが、ほとんどは好意的なものばかりだった。
 つねづね本のなかでも繰り返して申し上げてきたことは、この理論は基本は不変ながら、日々進化を続ける理論だということであった。理論が実践で役立たずではまったく無意味だ。理論の検証が実践であり、実践した結果とのズレをいかに修正し、また理論と結果との隙間を埋めていくか。
 そんななかで、いくつか「なるほど」という読者からの貴重な指摘を受けた。
 「もう少し計算が楽にならないでしょうか……」
 「逃げ・先行か差し・追い込みの判断がつきにくいのですが……」
 「距離は考慮に入れたほうがいいのでは……」
 「重・不良馬場では指数通りに決着しにくいのでは……」
 たしかにそういわれれば実践で思い当たる節があった。というか、こうした疑問をどう克服していくかが『馬力指数』の課題でもある。
 そんななかで興味深い指摘をいただいた。最初は無視していたのだが、なぜか妙にひっかかるところがあった。
 「競馬ブックのスピード指数の上位がよく絡んできますよ……」
 スピード指数そのものには、どうしても私のなかにアレルギーのようなものがあった。スピードのある馬がいつも勝てば競馬ほど楽なゲームのない。スピードもたしかに馬の能力の一つであるが、それがすべてではない。
 ところが、ナンバーワンの競馬専門紙『競馬ブック』のスピード指数欄をよくよく研究してみると、これを『馬力指数』に応用できるな、そう考えるようになってきた。つまり、「スピード指数」に少し操作を加えることによって、計算がややめんどうであった『馬力指数』が簡単に計算でき、しかも実践においてきわめて有効な武器になるという事実だ。
 それからというもの、何度かの中断はあったが、『競馬ブック』の「スピード指数」と、その指数を弾き出したレースでの走りを数値化することによって、新しいかたちのシャープな「馬力指数」を完成させた。とはいえ、これまでの「馬力指数」の考え方の基本は変えてはいない。よりシンプルに、簡単に、そして正確に馬の能力を数値化することができたというべきか。
 これまでの「馬力指数」の愛読者はもちろんのこと、はじめて本書を手にする馬券ファンにもわかりやすく、かつ納得のいくかたちで解説したつもりである。明日からの馬券検討の必須アイテムとして活用いただき、馬券の勝ち組になられることをひたすら願うのみである。


目 次


はじめに

LESSON1 競馬ブックが最強の必勝法に変わる
 スピード指数から馬力指数へ
 スピード以外に必要な要素は?
 『競馬ブック』の「スピード指数」を活用した新「馬力指数」
 馬力の1位と2位と3位で3連単270倍
 修正はどうしても加えなければならない
 信頼度をアップさせる方法

LESSON2 馬力ポイントの思想
 「スピード指数」の考え方
 スピード指数の欠点
 モノサシの宿命
 「馬力指数」が無視するファクター
 重要ポイント
 「馬力指数」の算出方法と手順

LESSON3 馬力ポイントの基礎
 「馬力指数」の算出
 難解なハンデ戦も正確に的中できる
 指数上位馬のワンツースリー・フィニッシュ

LESSON4 実戦、馬力ポイントで勝つ!
 1〜3着馬を完璧にピックアップ
 計算不能馬が多いときの買い方
 指数がずばぬけていたメイショウサムソン
 単テッパンがわかる
 指名は慎重に、馬券は大胆に
 最も得意とするパターン
 最上位指数が4番人気だから
 なぜ有馬記念をはずしたか
 ワイド馬券も使い方では美味しい
 高いポイントの馬の軸にする

あとがきにかえて

 









Copyright(C)Metamor Publishing Co.,LTD
小社の許可なく転載・コピーは禁止させていただきます。