この本は周りに並んでいるような“簡単に買い目が出る”ようなものではない。はっきり言って手順も面倒くさいし、完全に修得するとなるとかなりの時間と根気を必要とする。誰でも面倒くさい手順のものより、簡単に買い目が出るようなもののほうがいいだろう。しかし、あえてこの本を出すのは“競馬で勝っていくための本質”をあなたに知ってほしいからだ。
 今競馬をやっている人のうち、10 年後も競馬をやっていられる人はどれだけいるだろうか?
 競馬を続けていこうと思えば大変だ。今はインターネットで手軽に携帯からでも買えるようになっているので、仕事や家族サービスの合間などに軽く購入するような人も増えているだろうが、この本を手にとっているようなあなたはそんな甘っちょろいもんじゃないだろう。
 いつも四六時中競馬のことを考えているだろうし、友人との話題の中心も競馬。職場でも競馬好きキャラ。そんな“ディープな競馬ファン”だと想像する。
 ディープな競馬ファンが競馬をずっと続けていこうと思えば難しい。毎週時間は食うし、お金もかなり使うだろう。近年はインフラの発達でいつでもどこでも競馬に関するデータを手に入れることができるし、さまざまなWEBサイトも充実していて、年々競馬ファン全体のレベルは上っている。
 勝てることもほとんどなくなってくるし、競馬をするためにお金を工面する、そんな人がさらに増えてくると思う。これでは競馬をずっと続けていくことはできない。
 では、どうすればこの情報化時代の競馬で勝ち抜いていくことができるのだろうか? 答えはあえてアナログで攻めることだ。そんなので勝てるわけがないと思うかも知れないが、では、逆に専門紙に載っていること、インターネットで簡単に手に入る情報ツールだけで勝てると思っているのだろうか。
 そんなのは誰でも手に入るものだし、よほど卓越した利用技術がないと勝ち抜いていくことは難しいだろう。競争の激しい市場に、大したアイデアもなしに乗り込んでいくようなものだ。
 では、なぜアナログに答えがあるのか。それは面倒くさくて誰もやらないし、馬券に直結する見方が出回っていないからだ。
 この本で紹介する内容はパドック・返し馬を見て、そのあと何を考えどういった馬券を購入すべきかという、ある意味スタンダードに思えるものだ。しかし、これらの正しい見方や、馬券に有利な見方・考え方を知っている人はほとんどいない。
 競馬ファンは一般的なパドック解説などで、デキとか気配ばかりの抽象的な解説に慣れてしまっているし、それはパドックで得られる情報のうちのごく一部でしかないことを知らない。
 また、パドックと言えば本命党というイメージもあるだろう。これらの印象がパドックから競馬ファンの足を遠ざけているし、だからこそ本当の活用法がわかればこんなにおいしくて面白いものはない。他人が得られない武器をもってして戦うのだから、戦いが有利に進むことは間違いないのだ。
 冒頭にも言ったことだが、この本の内容は簡単に修得できるようなものではない。もちろん即効性のある考え方や技術もいろいろと含まれているが、そればっかりではない。修練を積まないと体得できないものもある。
 ただ、ディープな競馬ファンであるあなたは、競馬で勝つことに対して貪欲だろうし、面倒くさい手順も、その先に優位に戦いを進めていくことができるという光が見えていればまったく苦にならないだろう。むしろ新たな発見に心が躍り続けるはずだ。
 この本を手にとったディープな競馬ファンであるあなたが、激しい競争を勝ち抜き、10 年後も競馬を優位に楽しんでいる。そうなっていることを私は今から確信する。

   2012年1月吉日
  古澤秀和