この本はその名の通り、「こうすれば無駄な馬を消して買い目を絞ることができる」という消去法を列挙している。
ただ私の消去法は法則的なものやデータに基づいてどうこうというものではない。日頃馬券購入に際して自然と注意しているもの、いわば感覚的に身についているものと言ってよい。
それだけに細かくデータを取ったら答えが違っていたり、消す必要のない買い目まで消してしまっているかもしれない。また「そんな感覚的なものに付き合ってられるか」と思われる方もいるかもしれない。 そういった意味では不完全な作品かもしれないが、私はそれで構わない。なぜならその感覚的なものでいままでムダな買い目を買うことなく馬券でプラス収支を続けられているからだ。
感覚的なものというと、何やら頼りなさそうに感じられるかもしれない。だが感覚的なものだからこそ、「○○○は消し」というように思い切って判断することができるのだ。日々数字が動いていくデータではこうはいかない。
私がなぜ消去法を感覚的に身につけることができているのか。それは常に馬券購入点数を減らしたいと考えているからだ。購入点数が増えるとそのぶん購入金額が増える。時効だから言ってしまうが、10代の頃から馬券を買っていた私にとっては切実な問題であった。その後購入金額を抑えなければならないという問題は解決したのだが、それでも購入点数を減らしたいという気持ちは変わらなかった。馬券の本質に気づいたからである。 現在JRAでは、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単の8種類の馬券を発売しているが、複勝とワイドを除いた6種類の馬券には的中組合せは1つしかないのだ。5点買い、10点買い、あるいはフォーメーションで24点買いなど多点買いをしても的中するのは1点のみ。的中しても5点買いなら残りの4点、10点買いなら9点、24点買いなら23点は必ずハズれるのである。
的中の買い目を買いつつも同時に23点ものハズレの買い目を買っている…。
私はどうしてもこれが納得できなかった。24点買いをしても24.1倍以上のオッズがあれば勝ちであることは理解しているが、勝った負けた以上にハズレの買い目が気になった。
ゼロにすることは無理かもしれないが、なるだけ減らそう…。
理想をいえば1点買いで的中できればいいのだがそれはかなりの難易度だし、それが可能な能力を持ち備えていたらそもそもこんなことは気にならない。10代の頃よりは馬券購入金額が増えた私は異なる理由で引き続き馬券購入点数を減らす方法を考えることになったのだ。
以来、失敗と成功を重ねつつこの消去法を身につけてきた。かつては馬連が中心であったが、最近は3連複や3連単でもいらない馬を買い目から消去して点数を絞った買い方をしている。ハズすことはあっても、大きく負けることはないし、そこそこ精度の高い消去法なので的中数も大きくは減っていない。
こういっては何だが、勝ち馬を見つけることはまだまだ難しいが消し馬を見つけることは克服できたように思う。もっとも1点買いができていない以上はまだ克服できていないのかもしれないが。
今回の執筆にあたり、私が感覚的に身につけているものがデータ的にどうなのかということを改めて知ることができた。データ通りだったもの、そうでなかったものとまちまちであったが、感覚的に身につけていたがほぼデータと変わらなかったことに我ながら驚いている。
本書では、私が感覚的に身につけていた消去法を、データや実際の事例を交えて説明していきたい。親類に競馬関係者がいたし、一時期競馬マスコミでお手伝いをしていたこともあったので少し内側の目線からも話を進められればと思う。
いずれにしても本書で皆さんが消去法を身につけられ、競馬を長く楽しむことができるようになれば幸いです。

2011年7月 上本 家勝