マル混を狙い撃て! これが本書のテーマだ。
 マル混とは、いうまでもなく牡馬・牝馬の混合戦のこと。簡単にいうと男女混合レースである。
 なぜマル混なのか?
 これまでなぜか見過ごされてきた、しかしひとたび気づいてしまうと、あまりにも、あまりにも“怪しい”ヒントが、勝利への手がかりがそこには用意されているからだ。
 考えてみてほしい。とかくこの世は、家庭、学校、職場など、いずれを例にとっても、男だけで構成されているものと、男女が同居しているそれとでは、雰囲気もマナーもノリもまったく違ったものであるはずだ。
 たとえば、昭和を生き抜いてきた読者なら、かの松田聖子がデビュー当時に“ぶりっこ”(可愛い子ぶっている子という意味です、平成生まれのみなさん)と後ろ指をさされていたことを記憶しているだろう。“ぶりっこ”は男の子を前にしたときに発動される女の子の「戦略的態度選択」であるが、この態度の使い分けをムカつくと非難したのは同性の側、つまり、女の子だけで構成されている集団だった。
 別にパドックで“ぶりっこ”している牝馬を見つけよう、なんて荒唐無稽な努力をすすめているわけではなく、男と女が出逢うとき、そこには同性同士でいるときには起きないような何かが起きる、ということをいいたいがための《松田聖子メモリアル》なのはわかりますね~。
 誰もが経験的に知っているその事実を、ウマの“社会”にあてはめてみればどうだろう。つまり、競馬というゲームにおいて、牡馬と牝馬が「出逢うとき」というシチュエーションを考えてみるのである。それはマル混戦のほかにない。
 牡馬・牝馬混合戦と牡馬/牝馬限定戦とでは、まったく(ウマたちのあいだで)別のルールが採用されている可能性があるとすればどうだろう。人間界との比較からしてもそれは大いにありうるように思われる。
 出発点はここにある。
 マル混における「隠されたルール」を明らかにすれば、競馬の謎がまたひとつ解けるわけだし、それが競馬に勝つための有力な武器になりはしないだろうか? でもどうやって? 果たしてそれは可能だろうか?
 これらの疑問に答えを出すのが「キング&クイーンの法則」なのである、といっておこう。
 本書を上梓したのは、この自然法則を競馬予想に生かす術を、誰でも使いこなせる簡単な手順にして紹介するためなのだ。
 ここで是非いっておきたいのは、マル混専用の馬券術だというと、用途が限定されてしまう、との印象をもたれるかも知れないが、その指摘はあたっていない、ということである。
「キング&クイーンの法則」は、基本的にレースの施行条件を問わない。つまり、ダート、芝、距離/コース、クラス等の選り好みはしない。ただ、それが男女混合戦固有のルールで闘われるレースでありさえすれば。
 これって結構大胆な発言だと思う。
 なぜなら、たとえば中山の内回り芝1800mなんていう、特定の条件に限定して(テクニックのレベルで)競馬を考える必要がまるでない、といっているのだから。
 もし、それが公正競馬であれば、世界のどの国の競馬をやるにしても同じこと。自然法則とは本来そのようでなくてはおかしいではないか。
 それに、時代はどんどんマル混に向かって進んでいるのだ!
 JRAに限っても、マル混は下級条件からメインレースまで1日に何鞍も用意されている。そればかりか《有馬記念》《宝塚記念》などのグランプリ、《天皇賞》《安田記念》《ジャパンカップ》《フェブラリーS》などの古馬の最高峰レースもマル混なのだ! G1《NHK杯マイルC》などのクラシック路線でさえ、近年では牝馬の果敢な挑戦で男女混合レースとなっている。そういえば《凱旋門賞》も実はマル混です~。さらに牝馬に適性がある馬が多い短距離路線にいたっては、《スプリンターズS》《高松宮記念》から500万条件ハンデ戦まで、ほとんどすべてが男女混合レースとなっている。
 マル混を勝負レースとする「キング&クイーンの法則」を知れば、あなたの競馬ライフは劇的に変わるはずだ。
 本書に掲載したサンプルレースは、原則として最新のもの(07年1~4月)から、できるだけ典型的な「キング&クイーンの法則」による決着を見たものを選んである。また、できるだけ高額払戻になっているレースに絞り、読者の馬券的欲望を刺激することにつとめたつもりだ。歴代のJRA高額配当記録をもっているレースに限り、07年以外のレースをサンプルとして使用した。それが「キング&クイーンの法則」の該当レースであるのはいうまでもない。