筆者は二十数年にわたって種牡馬の産駒データを集積し、まとめてきた。
 その経験から言わせてもらうなら、「産駒データの裏付けのない種牡馬評は誤りが少なくない」ということ。ある種牡馬の評価は、あくまで産駒データが基本。そしてその評価が改まるのは、新たなデータが出たときだけ。
 たしかに、新しく産駒がデビューする種牡馬など、血統と現役時代の競走成績の分析は必要不可欠。しかし、もっと重要なことは、産駒データでそれを修正し、さらに血統を分析し直すこと。
 終わりのない、この繰り返しの作業でのみ、難解な種牡馬の評価をより正確なものとならしめることができる。
 筆者はその信念のもと、産駒データをベースとした『種牡馬血統データブック』シリーズ(西東社)4冊を出した。しかし、それでももの足りず、もっとわかりやすい本をと、データに“即戦ポイント”と称した寸評を併記した『血統ポイント・データブック』(KKベストブック)を出した。
 そして、もっといい本をつくれないものかと模索している折、友人の平尾圭吾氏(翻訳家・アメリカ競馬の達人)から一冊の興味深い洋書を紹介された。その本には各種牡馬のそれぞれの血統ポイントが、数値あるいは独自の記号で表記されていた。なるほど、これなら血統の素人でも使える。これらの項目を日本的なものに変え、さらにわかりやすく、数値も“100点満点”でレイティングしてみたらどうだろう? 幸い、日本には個々の馬のレイティングが巷にみちあふれ、“種牡馬レイティング”も受け入れられやすい土壌がすでにある。かくて、本書は誕生した。
 レイティングは、すべて筆者がまとめてきたデータをベースとしたもの。主観の入った項目もあるが、数値の確かさには自信をもっている。初心者から予想のプロまで、あらゆる状況で、最終決断の決め手として活用していただければ幸いです。