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毎月第2木曜更新!

 師走ですね。この時期になると、風邪をひく子が増えてきます。今日は、お子さんがどういうときは家で様子を見ていても大丈夫、どうなったら受診するかという話です。年末の帰省先や旅行先での場合についてもふれますから、ぜひ参考にしてくださいね。

 まず、たとえば咳や鼻水はあるけれどひどくない、便が緩いけれどお腹は痛くないなどのように本人もつらそうでなければ、必ずしも受診しなくてかまいません。のどや鼻の風邪にせよ、おなかの風邪にせよ、ウイルスによる感染症であることがほとんど。こういったときに出される薬は、対症療法の薬です。症状を和らげることが目的で根本的な治療ではないので、薬をもらっても早く治るわけではありません。風邪のときは、何よりもゆっくり休むことが大切です。 

ただし、以下のような場合は早めに小児科を受診しましょう。

【1】生後6か月までの赤ちゃんが発熱しているとき
発熱というのは、小児では37.5℃以上のこと。もちろん、ただの風邪ということもありますが、小さければ小さいほど症状が少ないので、髄膜炎や肺炎を起こしていることがあるのです。ただし、入浴や授乳の直後、激しく泣いているときなどに測った場合は、発熱ではない可能性があります。本当に熱があるなら、薄着にしても時間をおいても下がりませんから、薄着にして涼しいところで様子をみてから計り直しましょう。下がったら、急いで医療機関に行く必要はありません。

【2】生後6か月までの赤ちゃんの哺乳量が普段の半分以下のとき
母乳またはミルクをしっかり飲めている場合、新生児(生後1か月まで)だったら、1日に10回以上おしっこが出ます。それが6~7回だったり、それ以下だったりしたら十分に飲めていません。月齢が大きくなると1日の排尿回数は減って行きますが、いつもの回数の半分以下だったらやはり心配です。生後6か月までは、たとえ離乳食を始めていても少量で、母乳やミルクからしか水分や栄養を摂れていません。つまり、哺乳量が減ると脱水や低血糖になる心配があるのです。

【3】お子さん自身がつらそうで、いつもと様子が違うとき
生後6か月以上のお子さんの場合は、お子さん自身がつらそうなとき、つらそうなのに原因がわからないとき、ご両親が「いつもと様子が違う」と心配に思ったときなどに医療機関に行きましょう。いつもそばにいて見ている保護者の勘はけっこうあてになるんです。 
特に平日の日中なら、念のため受診してもいいですね。なぜなら夜間や休日になって急に心配になる人は多いからです。また、救急外来を受診するとしても、時間外にやっているところ自体が少ないうえに混んでいる場合も多く、待っている間に感染症がうつってしまったり、よけいに具合が悪くなったりしてしまうこともあるからです。

 夜間や休日に受診を迷う場合は、お子さんが眠れないくらいつらいかどうかを指標にするのもいいかもしれません。「一度吐いたけど、その後は眠れている」とか「咳をしながらも起きてこない」という場合は様子をみてもいいでしょう。「熱が高いのがつらそうなだけ」という場合は、家に解熱剤があれば直ちに医療機関に行く必要はありません。
 休日の日中や夜でも早めの時間に「解熱剤があればいいんだけど」「喘息で吸引さえできたらラクになりそう」などというときは、自治体のホームページで公表されている当番医(順番で休日や夜間に診療をしているクリニック)に行くといいでしょう。
当番医がやっていない時間帯で「何度も吐き続けている」とか「ゼイゼイして座っているほうがラクで横になって眠れない」などというとき、または重い症状があるときは、時間外窓口や救急外来、夜間診療のある病院にかかりましょう。近くに大きな病院の救急外来がある場合や救急指定病院がある場合は、直接電話してみてください。長く痙攣している、意識がないなどの場合は、救急車を呼びましょう。
受診するかどうか、救急車を呼ぶかどうかなどで迷った場合は、多くの自治体で設けている救急相談ダイヤル(東京都なら#7119)、また全国統一の小児救急でんわ相談(#8000)に電話してみてください。
こういうときのために、日頃からお住いの市区町村の広報紙やホームページで、夜間や休日にやっている医療機関を調べておくことも大切です。また、夜間や休日は人員の配置が少ないので、できる検査も出せる薬も少ないということは知っておいてくださいね。
(こちらも参考に→朝日新聞アピタル『小児科医ママの大丈夫!子育て』子どものケガ病気、なんでも小児科?)。

最後に、年末年始の旅行先や帰省先ではどうするのがいいでしょうか。
まず、自宅の市区町村から離れると乳幼児医療券はたいてい使えませんから、保険証と母子手帳、お薬手帳を持って行くことをお忘れなく。小さい子は出生時のエピソードが大事なことがありますし、母子手帳があればワクチン歴も確かめられます。お薬手帳があれば、治療経過の一部がわかり、薬の重複を防ぐことができます。それと常用している薬がある場合は、必ず持っていきましょう。休みが長い場合は、かかりつけの医師に相談して少し多めに処方してもらってもいいでしょう。
旅行でホテルや旅館に滞在する場合、緊急時に連れて行ってくれる医療機関は決まっているはずです。何かあったらフロントの人に相談しましょう。旅行でコンドミニアムなどを借りる場合や帰省の場合は、事前に行き先の近くの小児科、夜間や休日にやっている病院を探しておくと安心です。帰省なら、ご実家の人たちがどこを受診しているかを聞いておくのもいいと思います。
なお、海外旅行の場合、日本の健康保険は使えませんから、大人はもちろん、お子さんも医療保険に入りましょう。何千万円もの治療費がかかってしまう場合もあるので、絶対に忘れないようにしてくださいね。

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著者プロフィール

森戸やすみ(もりと・やすみ)

1971年東京生まれ。
1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。一般小児科、NICU(新生児集中治療室)などを経て、現在は市中病院の小児科に勤務。

著書

育児の不安

らくちん授乳

育児の不安
各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと
【はじめに】はコチラhttp://www.metamor.co.jp/maegakipage/kodomowomamoru/